「からすのパンやさん」
かこさとし おはなしのほん
娘が幼稚園の頃、大好きだった絵本です。
からすのパンやさんの家に生まれた4羽の赤ちゃんは、
体の色が黒ではなくて、みんな違った色をしています。
赤ちゃんたちの名前は、オモチちゃん、レモンちゃん、
リンゴちゃん、チョコちゃん。
すくすく大きくなった4羽の子どもたちが、
おやつに食べていた売れ残りのパンが、
友達に評判になります。
もっといろんなパンがあるといいな
という言葉に、おとうさんとおかあさんは、
とってもすてきな、かわったかたちの、
たのしい おいしいパンを、どっさりたくさん作ります。
そのパンは、
絵本の見開きいっぱいに並んだ、全部違う形をした楽しいパンです。
娘は、そのページを、いつも、飽きずに眺めていたものでした。
おかげで、お店は大繁盛。
森の上は、お客さんのからすで一杯です。
絵本には、その森の様子が描かれています。
当時、我が家の周りにも、雑木林がたくさんあって、
たくさんのカラスが住んでいました。
木々の上を飛ぶカラスを眺めては、
からすのパンやさんが、あそこにあるかもしれないよ、
などと、娘と話したことを昨日のことのように思い出します。
それから数年が過ぎ、娘が小学校を卒業するころ、
何かのテレビ番組で、この絵本のカラスの子どもたちが、
一瞬写ったことがありました。
その時、娘が、「あ、あれチョコちゃんだったね」と、言いました。
覚えていたんだな、と、少しびっくりしたこともありました。
今は、その雑木林もどんどん宅地になって、
あの頃住んでいたカラスたちは、どこで暮らしているのだろう、
などと思ったりします。
そうして、遠くの山の方へ飛んでいくカラスたちを見かけると、
この絵本を思い出すのです。
平成24年5月10日



